米国 NIHが最後のビーグル犬実験室を閉鎖

 (スー・ベル/ホームワード・トレイルズ)

国立衛生研究所(NIH)は、同機関における最後のビーグル犬実験室を閉鎖したと発表しました。

この発表は、政府効率化省(DOGE)のイーロン・マスク長官が、ビーグル犬を用いた実験への資金提供を検討しているとX(旧Twitter)に投稿したわずか数日後のことでした。

動物実験の透明性を求める団体「ホワイトコート・ウェイスト(WCW)プロジェクト」によると、同研究所では過去に2,000頭以上のビーグル犬の肺に肺炎を引き起こす細菌を注入し、出血性ショックを起こさせるといった致命的な実験が行われていたとされています。


(写真:Meredith Lee/ USHS)

この発表を受けて、WCWの社長兼創設者であるアンソニー・ベロッティ氏は、厳しく監視されていた同プロジェクトの終了に尽力したとして、ドナルド・トランプ前大統領を称賛しました。

トランプ政権発足直後の2020年4月、食品医薬品局(FDA)は、抗体治療薬などの医薬品に対する動物実験の要件を段階的に廃止し、人間の臓器を模倣した材料を使用する代替試験へと移行する方針を発表しました。

また、環境保護庁(EPA)のリー・ゼルディン長官は、動物実験の段階的廃止を掲げた2019年のトランプ政権時代の政策を、再び導入すると発表しています。

トランプ大統領の最初の任期中の2019年、政権は連邦政府が運営する最大規模の猫実験施設も閉鎖しました。


(写真:Meredith Lee/ USHS)

さらに、アメリカ獣医師会によると、ビーグル犬を研究用に飼育していたインディアナ州拠点の企業エンビゴは、バージニア州カンバーランドにある飼育施設で数千匹の犬を劣悪な環境下に放置していたとして、2024年に有罪を認め、3,500万ドル以上の罰金を科される見通しです。

2025年5月6日



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